火力発電の種類④ 〜蒸気タービン発電〜
キーワード:蒸気タービン発電、給水ポンプ、ボイラ、節炭器、蒸発器、過熱器、蒸気タービン、復水器、ランキンサイクル
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蒸気タービン発電とは?
蒸気タービン発電は外燃機関の一種で、給水ポンプ、ボイラ、蒸気タービン、復水器の4つの要素で構成されています。
『給水ポンプ』で水に圧力を加えつつボイラへ送り、『ボイラ』で熱を加えて水を過熱蒸気にして、その過熱蒸気で『蒸気タービン』を回転させて発電するという方式です。
そして蒸気タービンを抜けると過熱蒸気は湿り蒸気になるので、これを『復水器』に通すことで再度水に戻します。
このようなサイクルを繰り返すことで継続的に発電しています。
これが蒸気タービン発電の概要です。
各設備での状態変化
それでは蒸気タービン発電の熱サイクルについて考えていきましょう。
そのために給水ポンプ、ボイラ、蒸気タービン、復水器において水(蒸気)にはどのような状態変化が起こっているのか考えます。
まずは給水ポンプです。
給水ポンプは先ほども説明した通り、水に圧力を加えつつボイラへ送り込むための設備です。
その圧力を加える過程は急速に行われるので熱のやり取りをする時間的な余裕はありません。
つまり断熱圧縮となります。
続いてボイラです。
ボイラは圧縮された水を加熱することで、湿り蒸気を経て過熱蒸気へと変化させます。
その間に圧力は一定となるよう保たれるので等圧加熱となります。
ボイラは実際には、圧縮水が飽和水になるまで加熱する『節炭器』、飽和水が乾き飽和蒸気になるまで加熱する『蒸発器』、乾き飽和蒸気が過熱蒸気になるまで加熱する『過熱器』の3つから構成されています。
そして蒸気タービンです。
ガスタービン発電におけるガスタービンと同様、高温高圧となった蒸気は、膨張しながら勢いよく蒸気タービンを回転させるような仕事をします。
これも熱のやり取りをする隙を与えずに行われる状態変化なので、断熱膨張となります。
そして最後に復水器です。
蒸気タービンを出た蒸気は乾き度の高い湿り蒸気になるので、これを飽和水になるまで冷却するのが復水器です。
通常、冷却水には海水が使用され、蒸気の圧力は冷却水の温度によって決まる低圧に維持されるので、等圧冷却となります。
ランキンサイクルとは?
蒸気タービン発電は、以上4つの状態変化から成る熱サイクルによって連続的に仕事をしています。
改めて蒸気タービン発電の設備構成を概略的に描くと以下のようになります。
経路の色が水色、黄色、オレンジ色の3つに分かれていますが、これは前回と同様、水の状態を表しています。
つまり水色が圧縮液、黄色が湿り蒸気、オレンジ色が 過熱蒸気です。
この設備構成の概略図に対応する熱サイクルは以下のようになります。
この蒸気タービン発電における熱サイクルのことを『ランキンサイクル』と呼びます。
ランキンサイクルの熱効率
蒸気タービン発電における熱サイクルがランキンサイクルとなることが分かりました。
それではその熱効率はどのようになるのでしょうか?
熱効率は以前説明したように、T-s線図上の面積で求めることができます。
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